2013年5月30日木曜日

本堂に空調設備を設置②検討編

◯エアコンの設置を検討し始めて見えてきた課題

・環境負荷。原子力発電所の問題やCO2の排出量など環境問題。
・空調方式。本堂は空間が広く天井高もあるので通常のエアコンで対応できるのか。
・建物への負担。古い大切な本堂なのでなるべく補強や加工等を避けたい。
・意匠。厳粛な雰囲気を壊したくない。
・金銭的な問題。工事費はもちろんのこと、ランニングコストも心配。


◯これらの問題に出来るだけ対応できる空調方式とは?

結論から言いますと、天井埋め込み型や床置き型など色々と検討した結果、床下空調を採用しました。


ヒントは21世紀美術館でした。
21世紀美術館の空調は床面とガラス窓の間にスリットがあり、そこから冷気や暖気が出てくるというもので、以前からとても気になっていました。後から知ったのですが、床が二重構造となっており、床下全体にも空調から排出された空気が行き渡っているそうで、床暖房効果もあるようです。

そこで床下空調について調べてみました。

メリット
・効率が良い。地上2m位までしか空調しないらしい→天井高がある本堂に最適。当然環境負荷やランニングコストの低減にも貢献するはず。
・吹出し口と吸込み口しか露出しない→意匠の問題もクリアできるはず。また当寺は縁の下が高いためエアコン本体などの機器類を収めるためのスペースも十分だし、建物への負担も少なくて済むはず。

なんだか本堂の空調にピッタリな方式な気がしてきました!
しかし、不安材料も・・・

・果たして既存の木像建築物に設置できるのか。
・どこにお願いすればいいのか。
・既成品では対応できないであろうから金銭的に無理なのではないか。


思い切って、21世紀美術館の空調を設計された佐藤英治さんにコンタクトをとってみました。2012年の9月に入った頃のことでした。

続く。